複素数のいろいろな問題(数学Ⅱ)
【高校数学の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
《数学Ⅱ・B》
指数関数.対数関数  • 複素数  • 微分・積分 

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== 複素数のいろいろな問題(数学Ⅱ) ==
【複素数の相等】
a, b, c, dは実数とするとき
a+bi=c+dia=c, b=d
特に
a+bi=0a=b=0
※上記の式は,「複素数の実部と虚部がそれぞれ等しい」とき,「2つの複素数は等しい」といい,等号(=)を使って表す,という定義を述べたものなので,この式に対する証明というものは考えない.

  《難易度の目安》
教科書レベルの基本問題
参考書などでよく出る問題★★
大学入試問題★★★
【例1】 ★
 次の等式が成り立つように,実数a, bの値を定めてください.
(a+bi)(1−i)=1+5i
(解答)
両辺を実部と虚部に分けて比較する
a−ai+bi−bi2=1+5i
(a+b)+(b−a)i=1+5i
a+b=1
b−a=5
この連立方程式を解くと
a=−2, b=3…(答)
(別解)方程式というよりは,単なる計算問題にする


a=−2, b=3…(答)
以下の問題において,見ているだけでは解説は出ません.採点すれば解説が読めます.
【問題1-1】 ★
 次の等式が成り立つように,実数a, bの値を定めてください.
(a+bi)(2+3i)=1+8i
a=b=
採点する
【問題1-2】 ★
 次の等式が成り立つように,実数a, bの値を定めてください.

a=b=
採点する
【問題1-3】 ★
 次の等式が成り立つように,実数a, bの値を定めてください.
a(2+i)2+b(2−i)2=6
a=b=
採点する
【複素数の実数条件ほか】
 を複素数,をその共役複素数とするとき
(1) が実数であるための必要十分条件は

(2) が純虚数であるための必要十分条件は

(解説)
 の実部を,虚部をは実数)とおくと


となるから
(1) が実数 ⇔
  が成り立つ
(2) が純虚数 ⇔
  が成り立つ
 なお,2つの複素数の和・差・積・商について,次の関係式が成り立つ(上記のように実部と虚部を比較すると証明できる)
 …(#1)
 …(#2)
 …(#3)
【例2】 ★
 次の式が実数となるように実数xの値を定めてください.
(x+2i)(1−i)
(解答)
(x+2i)(1−i)=x−xi+2i−2i2
=(x+2)+(−x+2)i
が実数となるには
−x+2=0
x=2…(答)
(別解)

となればよい.





x=2…(答)
【問題2-1】 ★
 次の式が実数となるように実数aの値を定めてください.

a=
採点する
【問題2-2】 ★
 次の式が純虚数となるように実数aの値を定めてください.

a=
採点する
【問題2-3】 ★★
 2次方程式(1−i)x2+(a−i)x+2(1−a)i=0が実数解xをもつように,定数aの値を定めてください.
a=
採点する
【複素数の値の代入】
 「x=a+biのとき,cx4+dx3+···+ex+fの値を求めよ」という形の問題では,xの値を3次式,4次式などに直接代入して「体力仕事」「根性物語」で答を出すこともできますが,そのやり方は「美的でない」「計算が複雑で間違いやすい」などの事情があって,歓迎されません.(部分点となる場合でも低評価です).
 この形の問題では,xが満たす2次方程式などを利用して,下の例3のように「商と余りに分けて」,次数の低い「余りに代入する」というのが,昔からある十八番おはこ問題です.
【例3】 ★★
 のとき,の値を求めてください.
(解答)



このように,のときの値が0になることを利用して,次のように変形する.

ここで,だから

…(答)
(備考:重要)
• この変形は,元の式割る式×+余りと変形したときに,余りの次数は,必ず割る式の次数よりも小さいということを利用して,元の式に代入する代わりに,次数の低い余りに代入する所がポイント
• その場合に,割る式として0になる式を選んでいるので,その式が消えることを利用する
• なお,上記の変形において,作成した方程式,すなわち,割る式は,xの値の必要条件であって十分条件ではないことに注意.すなわち,の解は,
だけでなく,も解であるが,ならばは間違いなく成り立っているから,これを利用できる.
• 生徒が最も困るところは,であるのならば,で割るのは「反則」「数学で禁止されている」のではないか,ということであるが,上の答案をよく見てもらうと,割り算はどこにも書いてなく,掛け算が書いてあるのである.


それじゃあ,余りをどうやって計算したんだよ!
÷

 計算は下書き用紙に書いたので,表側には出てこない.


は,xの値と関係なく成り立つ恒等式の変形です
×
は,のときだけできる代入の作業です
だから,上記の答案で十分です.

♪~わかった~♪
【問題3-1】 ★★
 のとき,の値を求めてください.
i

採点する
【問題3-2】 ★★
 のとき,の値はである.
(2000年度 中部大工学部)
採点する
【問題3-3】 ★★
 のとき,の値を求めてください.
i

採点する

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