1の虚数3乗根ω
【高校数学の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
《数学Ⅱ・B》
指数関数.対数関数  • 複素数  • 微分・積分 

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== 1の虚数3乗根ω ==

■解説
◇1の虚数3乗根ωとは◇
○ x3=1 の虚数解を1の3乗根といい,ωで表わす.
  ( x3=1 の解のうち,実数解 x=1 でないものを1の虚数3乗根といい,ωで表わす. )
○ 具体的に x3=1 を解くと次のようになる.
x3−1=0(x−1)(x2+x+1)=0
x=1 ,
虚数解は x=
(注) これら2つの虚数解のうちどちらをωとするか決まっている訳ではない.すなわち,勝手に
ω=
と決めて問題を解くのはよくない.
ω=
の場合でも成り立つ答案が求められる.


○ 以下に示すように,ω42 の値を求めるなどの問題において,
ω=
と,
ω=
の両方を代入して「力まかせに」「単純計算主義で」解決する方法は薦められない.

 【ポイント】:ω3=1 かつ ω≠1 から,ωが満たす式を作り,これらの変形で処理するというのが定石となっている.すなわち,

【 要約 】
1の虚数3乗根の1つをωとするとき
  ω3=1ω≠1 )···(A)
  ω2+ω+1=0 ···(B)
が成り立つ.
■続く→■
■→続き■
 式の数を最小限に減らすと,(B)だけで1の虚数3乗根という定義を満たすことができるが,
式(A)を見ると,左辺が3次式で右辺が定数(0次式)となっている.この式を使えば一度に次数を3次下げることができ,この式はいわば「特急券」として重宝できる. 
   ω63ω3=1
 式(B)は ω2=−ω−1 と見ると,2次式を1次式に次数を下げることができる,いわば「急行券」となっている.
    ω32ω=(−ω−1)ω=−ω2−ω
    =−(−ω−1)−ω=1
 無理数や複素数の複雑な値の代入計算によく使う方法(余りに代入する方法): ω2+ω+1=0 で割った余りに代入する方法をとれば,この単調な繰り返し作業をまとめて行うことができる.*
  例*
3+5ω2+5ω+5=(ω2+ω+1)(2ω+3)+2
商が2ω+3で余りが2であるが,ω2+ω+1=0 だから,2+ω+1)(2ω+3)が消える
=2
(覚え方)
  ω3=1 ···(特急券)
  ω2+ω+1=0 ···(急行券)
「特急券」と「急行券」を両方とも使って,次数を下げる
例題1
 1の虚数3乗根の1つをωとするとき,ω42+1 の値を求めよ.
(答案)
 原式=ωω32+1=ω+ω2+1=0
例題2
 1の虚数3乗根の1つをωとするとき,ω10050+1 の値を求めよ.
(答案)
 原式=ω(ω3)3323)16+1=ω+ω2+1=0
【問題1】
1の虚数3乗根の1つをωとするとき,次の式の値を求めてください.
(1)
ω105=
採点する
(2)
採点する
(3)
ω642+1=
採点する
(4)
ω3+3ω2+3ω+1=
採点する
(5)
ω2nn+1nは正の整数)
ア) n=3kkは正の整数)のとき

採点する
(続き)
イ) n=3k+1, 3k+2kは正の整数)のとき

採点する
【問題2】
(1)
1の虚数3乗根の1つをωとするとき
(x+2)(x+2ω)(x+2ω2)=x3+
採点する
(2)
1の虚数3乗根の1つをωとするとき
(x2+ωx+ω2)(x22x+ω)=(x2+1)(x−)2
採点する
(3)
 −1の虚数3乗根の1つをαとするとき
α10−α5+1=
採点する
(4)
 1の虚数5乗根の1つをαとし,とするとき
β2+β=
採点する

■問題3 … (少しむずかしい)
 を1の3乗根の1つとするとき,次の式の値を求めてください.(選択肢の中から正しいものを1つクリック)
(1)

(2)


(3)
が正の整数のときの値は
ア)のとき,
イ)のとき,(次の値から選んでください)
(4)

の値に等しいものを次の中から選んでください

(5)

の値に等しいものを次の中から選んでください
(6)
が正の整数のときの値は
ア)のとき,
イ)のとき,(次の値から選んでください)

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